36.8℃の微熱。
「・・・・ユカ様、あ、あのね、一緒にいたのにはワケがあってね。ちょっと聞いてくれないかな?」
机に覆い被さってあたしを視界に入れないようにしているユカ様に恐る恐る声をかける。
ユカ様からは目で見えるくらい怒りのオーラが出ていて、当たり前だけどなんの反応もなかった。
それでもあたしは、バンビが来るまでの間に少しでも誤解を解いておきたくて構わず続ける。
「悪いコトしたなって思ってる。ホントにゴメン・・・・。だけど言い訳させて。浅野君には相談に乗ってもらってただけ、ほかには何もないよ。誓って何もない」
「・・・・」
ユカ様からの反応はナシ。
ぴくりとも動かない。
「さっきユカ様は“諦めたんじゃなかったの!?”って言ったけど、浅野君、昨日“友だちとして”って何度も言ってたよ。だからホントに何もないの。信じて」
神様、仏様、ご先祖様。
どうかユカ様に届いて・・・・。
心の中で必死に手を合わせる。
すると。
「・・・・なんで?」
「え?」
「なんであたしじゃないの?」