36.8℃の微熱。
痛みと怒りと落胆と・・・・苦しそうに声を絞り出したユカ様は、そう言ってグズッと鼻をすすった。
「ユカ様、それにはワケがっ!! お願い、聞いてっ・・・・」
「また言い訳!? そんなの聞きたくないよっ。浅野君には相談できて、あたしには相談できないコトって何!? なによっ、親友だと思ってたのはあたしだけ!?」
あたしは“本当のワケ”を話そうと慌てて口を開いた。
こうなってしまっては、もうユカ様が落ち着いてから、なんて悠長なことはしていられない。
けれどユカ様は、あたしの言葉を遮り、体を起こすと大粒の涙を流しながら激しく責め立てる。
「違う違う!!」
「何が違うの!? そういうことじゃない!じゃあアレ? あたしがサトルの話ばっかりするから妬ましいんだ? 1人で幸せになるなとか思ってるんでしょ!!」
「───ユカ様、あたしのこと、そんなふうに?」
「・・・・っ」
「・・・・」
ただただ、ショックだった。
涙も出なければ声も出なくて・・・・ナイフで体を切り付けられるような鋭い痛みが全身を走った。