36.8℃の微熱。
帰りの電車、あたしは何度も止まりそうになる指を意地でも動かし先生に最後のメールを打った。
送信者の名前を見たら読まずに削除されてしまうだろう、ましてや返信なんて期待するだけムダ。
でも、もともとが一方通行だったあたしの恋だから、それならそれで構わないと思った。
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To. 俺様魔王
Sub. 江田です。
先生のことは、きっぱりさっ
ぱり諦めることにしました。
今まで迷惑をかけてばかりで
ごめんなさい。
数学もダメダメで、興奮して
もらえる体にも今のところは
なれそうにありません・・・・。
でも、1つだけワガママ。
あたしのファーストキス、
先生にあげたかったです。
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そう打って、送信。
仕掛け、ってほどでもないけど、画面をスクロールしないと読めないように10行くらい間を空けた。
それから【送信しました】と画面が切り替わったのを確認して、静かに携帯を閉じる。
と同時に、フッと息がこぼれた。