36.8℃の微熱。
 
「バカだぁ、あたし・・・・」


ホント、バカ。

先生が読んでくれることを前提に子どもじみた仕掛けなんかしたりして、自分にほとほと呆れる。

だから先生は読まないじゃん、あたしのファーストキスなんかもらっても嬉しくないだろうしさ。


でも、どうしてだろう。

そうやって自分のしたことを鼻で笑ってみても、まだ心のどこかでは先生に気づいてほしいと願っている部分もあったりするんだ。

だって・・・・。

諦めるのも本当だけど、先生とキスしたかったのも本当だから。

どっちもあたしの本当の気持ち。


ワガママで聞き分けの悪いあたしというネズミの恋は、こうして最後にあがいて終わった。

あたしからも伝えます。

サヨナラ、先生───・・。






それから緩やかに時は流れ、季節は秋から冬へと移り変わった。

今日もあたしは塾へ行く、今日もあたしは学校へ行く。

それは変わらない毎日。

変わったのは、一緒にいる友だちが変わったこと、塾で先生を目で追わなくなったこと。

居残りがなくなったこと。
 

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