36.8℃の微熱。
 
「大丈夫なワケありますかっ!! もういいっ!! あたしやっぱり塾に行きます!すぐそこだし!」


そう言って、あたしは目と鼻の先にある塾の方向に体を向けた。

もうつき合っていられない。

なんなのよっ、本当にっ!! サトルさんは一体どんな目的があってこんなことをしているの!?


「待って!」

「待ちませんっ!これ以上辛い目に遭いたくないんですっ!!」


ここまで運ばれてくる間もサトルさんの背中に何度も聞いたんだ、目的は何? なんでこんなコトをしているんですか? って。

だけど、聞こえているのかいないのかサトルさんはずっと黙ったままで、結果、またユカ様を傷つけるようなことに・・・・。

本当にもう、これ以上はあたしの心がもちそうにないんだ。

放っておいてほしい。


「・・・・じゃあ言う!言うから考え直して!大事な用なんだよ!」

「大事な、用?」

「そう。すっごく!!」


あたしの行く手をふさぐように立ちはだかり、両腕を広げるサトルさんに思わず聞き返していた。

大事な用・・・・なんだろう。
 

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