36.8℃の微熱。
 
すると───・・。


「茜ちゃん・・・・なんで?」

「・・・・ユカ様こそ、どうして?」


店内をちょうど半周したところでユカ様とばったり出くわした。

ユカ様もあたしも、見つめ合ったまましばらく言葉が出てこない。

とっくに家に帰っていたと思っていたから、まさかマックで会うなんて思いもよらなかった。


「・・・・まぁ、座ったら? ココ。どうせ席なんて空いてないし」

「あ、うん」


やがて口を開いたユカ様は、そう言って2人掛けの小さなテーブルの向かい側・・・・1つだけ空いている席を勧めてくれた。

向かい合って座るなんてどれくらいぶりだろう、前までは普通にしていたことなのに、今となってはなんだか変に緊張してしまう。

やはり、と言うべきで、それからもしばらくあたしたちの間に会話はなく、重苦しい時間が流れた。


どうすればいいんだろう・・・・。

これからサトルさんとクリスマスプレゼントを選びに行く、なんてユカ様本人に言えるワケない。

かといってほかには何も・・・・ってそうだ!! サトルさんは!?
 

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