36.8℃の微熱。
ユカ様の考えが全く読めないあたしは、ただポカンと口を開けて目をパチパチしばたかせるだけ。
それにあたし、今までずいぶんとワガママし放題だったと思う。
先生の部屋に泊めてもらったり、押しかけたり、諦めるとメールを送っておきながら密かに想っていたり・・・・十分、自分を一番に考えていたと思うんだけど。
ユカ様、それでもまだ自分を一番にしろと? いやいや、無理。
心の中でブンブンブンと思いっきり首を振って、これ以上はどうあっても無理だと結論を出した。
けれど、ユカ様はこう言う。
不敵な笑みはそのままに、自分の頭を指でツンツンつつきながら。
「相手はあたしたちよりずっと大人なのよ? ココの出来が違う。悪知恵の1つや2つ、先生なら思いつくんじゃないかな」
「なっ!!」
悪知恵って・・・・。
ぶっ飛ぶねぇ、ユカ様。
それってつまり、こういうコト?
周りに隠れて先生とおつき合いできる可能性アリ、ということ? 先生の“悪知恵”とやらで。
「どう?」
「どう? って言われても・・・・」