36.8℃の微熱。
 
自信満々に聞かれたけれど、考えたことがないから分からない。

「その手があった!!」なんてとうてい思えるワケもなく・・・・そしてやっぱり、もう先生には迷惑をかけられないから。

あたしは曖昧に笑った。

先生の重荷にはなりたくない。


「んもぅ。キスまでしそうになったくせに臆病だよね、2人とも」

「う〜ん、先生はともかく、あたしはそうかも・・・・。ユカ様に言ったことと逆になっちゃうけど、気持ちを伝える勇気がもうなくて」


実を言うとそうなのだ。

先生のため・・・・というのは建て前でしかなくて、本当はあたしに勇気がないからなんだ。

そう言うと、ユカ様はフンッと鼻を鳴らして険しい顔を作った。


「じゃあ、あたしから言う!」

「・・・・なな、何を?」

「茜ちゃんを頼んだ、しっかり守ってあげてって!だっておかしいもん、浅野君のメールにも書いてあったんでしょ? 茜ちゃんが言えないならあたしが言う!」

「待って!! そだけはダメっ!!」


あたしは慌てて止めに入る。

何を言いだすんだ、ユカ様っ!!
 

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