36.8℃の微熱。
 
きっと茜ちゃんは、その小さい体で初めての恋に立ち向かおうとしているのでしょうね。

なんとなく見ていて分かります。

かわいくて歯がゆくて、手を差し伸べて“こっちよ”とついついその手を引いてあげたくなります。

でもね、それをしてしまったらオカマの名が廃るわ。おそらく茜ちゃんも望まないと思う。


だから自分で見つけて、アタシはいつでもあなたの味方よ。

誰を好きになっても、その相手がどんな人でも、例えば周りがどんなに騒ぎ立てても・・・・それでも消せない想いがあるのなら、迷わず飛び込んじゃいなさい。

言いたいヤツには言わせておけばいいのよ、気にすることなんてこれっぽっちもないのよ?


さっきアタシは手紙の最初のほうで“普通”って書いたけど、そもそも普通ってなんなのかしらね。

アタシはオカマの自分が好きよ。

さて、茜ちゃんはどうかしら?


―――――
―――


「マリアンヌさん・・・・」


読み終わるのと同時に、あたしの目からは涙が一筋流れていった。

もう。

ホントにこの人は・・・・。
 

< 519 / 555 >

この作品をシェア

pagetop