36.8℃の微熱。
 
・・・・と、まぁ。

こんなことになってしまった。


あたしが今までずっと悩んできたことって一体なんだったんだ?

聞き間違いじゃなければ、家に呼べって言っているんだよね?

しかもお母さん、返事がOKだって思い込んでいるよ・・・・どこから来るんだその発想!!


「あ、あの、お母さん・・・・?」


お財布の中のカードを床に広げ、そこからケーキ屋さんのカードを見つけ出そうとしているお母さんに恐る恐る声をかける。

今すぐ電話をかけたい気持ちは理解してあげたいけれど、その前に説明してはくれまいか。

・・・・何がどうしてこうなって、最終的に全面協力なのかしら。


「ほら、茜も探して!!」


だけどお母さんはあたしのことよりケーキが気がかりらしい。

状況が飲み込めずにつっ立っているあたしの腕をグイと引き、カード探しに強制加入させた。


「いやいやいや、まずはあたしに説明してよ、ホントにいいの? 先生に告白しちゃっても」

「いいも何も、それが茜の出した答えなんでしょ? お母さんに反対する理由はないわよ」
 

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