36.8℃の微熱。
冷めない微熱
───*。゚
「イブに終業式とか、ほんっとウチの学校も空気読めないよねー」
「そう言うなって、宇佐美さん。イブに1人ぼっちの俺にしたら好都合なんだからさぁ」
24日。
クリスマスイブ兼、終業式の朝。
王子とユカ様の到着を待っていると、そのユカ様は教室に入ってくるなりあたしたちにそう言った。
王子は王子で“別にいいじゃん”という口調、2人はすっかり元通りの関係に戻り、あたしはそれを微笑ましく見ている。
「ケッ。いつまでも引きずってんじゃないわよ。寂しかったら彼女作ればいいでしょ、彼女を!」
「そう簡単にいくかよ。男子の心はナイーブなんだ、図太い女子には一生かかっても理解できないかもしれないけどね」
「それ、あたしのこと?」
「ほかに誰がいるの?」
「・・・・あーさーのぉーっ!!!!」
「わわっ。ごめん、言いすぎた!怖い、顔がっ!! 許してっ!!」
・・・・ん? 見ている?
ギャーッ!! 止めなきゃ!!
「やめなよっ!イブにケンカなんてキリストに笑われるよっ!!」