36.8℃の微熱。
 
元はと言えばあたしが2人の関係を悪化させたんだけど・・・・あー、でも!! ダメだよ!

このまま冬休みに入っちゃ!!

教室中を逃げ回る王子を拳を振り上げ鬼の形相で追いかけるユカ様をあたしも追いかける。

ユカ様の表情が鬼のようなら、あたしは一体どんな顔なんだろう。

ううっ、リアルに想像できて逆に想像したくない・・・・今にも泣きそうな顔、きっとそれだ。


「待てー!! 浅野ー!!」

「無理〜!」

「・・・・まま、待ってぇぇぇ〜」


にしても。

なにこの奇妙な追いかけっこ。

クリスマスイブに何をしているんだろうか、あたしたち・・・・。泣きたい、もう泣きたい。けれど。


「・・・・プッ。逃げろー、浅野ー!宇佐美なんかにつかまるなー!!」

「もうちょっとだよユカちゃん!頑張れー!! ほら、そこっ!! 茜ちゃんも頑張れー!」

「江田ー、もっと体力つけろー!全然追いついてねぇぞー!」


という具合に、あたしたち3人はそれぞれにクラスメイトの応援を受けることになってしまった。

恥ずかしーっ!
 

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