36.8℃の微熱。
王子と図書館
お昼休み。
ユカちゃんとご飯を食べたあと、あたしは癒しを求めて図書館へと1人向かった。
そこには、見ているだけで心の保養になる浅野王子がいる。
入学してまだ日は浅いけど、ユカちゃんと王子、それにあたしは、とっても仲良しになったんだ。
その関係で、いつもお昼休みは教室から消える王子にどこに行っているのか聞いてみたところ。
「図書館で本を読んだり勉強したり、お昼食べたりしてるよ」
と教えてもらって、こうして普段はあまり行く機会のない図書館に向かっている。
実はあたし、王子に折り入って頼みがあって・・・・。
そのためでもあるんだけど。
「浅野君〜。いる〜?」
図書館に着くと中はシーンと静まり返っていて、入り口からは誰もいないように見えた。
こういう静かな場所はあんまり得意じゃないあたしは、おのずと小声になってしまう。
すると・・・・。
「あれ、江田さん、どうしたの? 俺に何か用事?」
「あ、浅野君!」
浅野王子が本棚の間からひょっこりと顔を出した。