36.8℃の微熱。
 
居残りのたびに我が家でご飯を食べられちゃたまったもんじゃないから、仕方なく問題を解く。

先生に言わせれば“ちんたら”らしいけど、あたしにとったら超高速スピードだ。


「なんで放物線の向きが逆になっちゃうの!江田ちゃん、プラスとマイナスがあるの知ってる!?」

「うっ・・・・」

「違う違う!この計算は()がなくてもかけ算からするの!」

「うぅっ・・・・」

「端っこに式書かない!これくらい暗算できなくてどうすんの!」

「うぅぅっ・・・・」


鬼だ!悪魔だ!最悪だ!

もう、頭おかしくなっちゃう。

・・・・と、またまたこってり絞られてしまったあたし。

やっと終わって家に着いたのは、昨日と同じ時間だった。





───*。゚



次の日。

どんなにしんどくても気合いでお風呂に入り、2日ぶりのシャンプーができたあたしは、眠い体を引きずって学校へ向かった。

先生には言わなかったけど、今日から王子の数学講座が始まる。

これからは皆勤賞じゃなくて王子のために遅刻はしないと決めた。
 

< 77 / 555 >

この作品をシェア

pagetop