36.8℃の微熱。
「昨日はあんなに落ち込んでたのに。立ち直り早っ!!」
それを話すと、ユカちゃんに軽く突っ込まれた。
朝の賑やかなホームルーム前、今日もあたしの隣で静かに文庫本を読んでいる王子に聞こえないように小さな声で。
「シフトチェンジってヤツだよ、シフトチェンジ!だって浅野君、王子みたいなんだもん!」
「王子ねぇ・・・・」
「そう思わない?」
「あたしは俺様が好みかなぁ。めちゃくちゃ振り回されたいっ!」
ギャッ!!
ユカちゃん、アナタ一体何言っちゃってんのさ・・・・。
安心第一だよ、安心が一番!
実は、ユカちゃんにはまだあたしが俺様魔王に振り回されていることを話してはいない。
ただの好みの問題・・・・何気なく言ったんだろうけど、あたしにとったら鳥肌モンだった。
「ユカちゃん、変わってるね」
「そぉ? 今の携帯小説じゃ俺様なんて当たり前だよ?」
「そ、そうなんだ・・・・」
俺様がそんなに需要が高かったなんて全然知らなかった。
あたしって疎い?
いやいやいや。