36.8℃の微熱。
 
あっちは“物語”として読ませるものであって、こっちはノンフィクション・・・・。

実際に俺様と関わったら大変な思いをすることを、残念ながらユカちゃんはまだ知らないみたい。


「ほら、これとか!読んだら茜ちゃんも絶対ハマるって!」

「はあ・・・・」


キャッキャと携帯を見せてくれたユカちゃんは、彼女のイチオシ小説を紹介してくれた。

けれどあたしは、適当に「へぇ」とか「そうなんだぁ〜」とか相づちを打っただけ。

怖いもの知らずなユカちゃんよ、あたしはあなたが1日でも早くジェントルマンな男の人が好みになる日を待っているよ・・・・。










───キーン コーン
   カーン コーン・・・・


そしてあっという間にお昼休み。

急いでお弁当をかき込んで、さっそく図書館に進路をとった。

手には塾で解いた中学レベルの問題と、同じく中学の教科書。


『まずは塾でどんな問題を解いているか教えてくれる? それと、できれば中学の教科書もあると助かるんだけど』

と王子に言われ、用意してきた。
 

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