36.8℃の微熱。
「浅野君〜。いますか〜?」
昨日と同じように、入り口のところで王子の姿を探す。
ここに来るのは今日で2回目、まだ図書館の静かな雰囲気に圧倒されてしまう。
すると・・・・。
「あ、江田さん、待ってたよ。思ったより早かったね」
今日も本棚の間からひょっこりと顔をのぞかせた王子。
食後の一息ってところかな、紙パックのジュースをチューチューと飲みながら現れた。
「浅野君!いないかと思っちゃったよ〜。あんまり静かなもんで」
「そう? 基本、図書館って静かだよね。江田さん、もしかして静かな場所が苦手だったり?」
「あ、うん・・・・ぶっちゃけ」
「だと思った」
あはははは。
なんて小さく笑って、入り口からは死角になっている窓際の席に並んで座った。
この席は、日当たりもよくてポカポカあったかい。
ちょっと首を伸ばせば校庭も見えて、なかなか居心地がいい。
静かな図書館だから聞こえる音がここにはたくさん溢れていた。
「さっそくいい?」
「あ、うん!持ってきたよ」