36.8℃の微熱。
 
そう言うと、ユカちゃんはあからさまに残念そうな顔をする。

ユカちゃん、あなたはそんなに王子とあたしをくっ付けたいのか。

でも、最近はずっと一緒にいるせいか、まだ1ヶ月のつき合いだって気もしない・・・・のも確かだ。

う〜ん、考えてしまう。


すると、今度は朝のようなニヤニヤ顔になったユカちゃん。

コトッとジンジャーエールをトレイに置くと、トンボを捕まえるときのように人差し指をくるくる回しながら言う。


「でもさぁ、朝のあれは絶対ドキドキしてたでしょ? 分かるよ、あたしにはっ♪」

「ドっ!! なっ!! ばっ!?」

「・・・・茜ちゃん、日本人なんだからちゃんと日本語しゃべろーよ」

「はい・・・・」


生粋の日本人のくせに単語の切れ端だけになってしまった。

本当は『ドキドキしたの、なんでばれたの!?』・・・・と聞きたかったのだよユカちゃん。

ドンマイ、あたし・・・・。


それからあたしは、ちゃんとした日本語でもう一度聞き直した。

するとユカちゃんは、あっけらかんとした口調で言い切ったのだ。
 

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