36.8℃の微熱。
Chapter.2*発熱
俺じゃダメ?
「江田ちゃんさぁ、明日の午後ってヒマしてる?」
居残り中、最近めっきり元気のない先生が唐突に聞いてきた。
明日の午後・・・・ゴールデンウィーク最終日のことだ。
「別に予定はありませんけど?」
あたしは、問題にペンを走らせながら素っ気ない感じで答える。
先生が出す問題はもう中3レベルまでアップしたけど、王子のおかげでなんなく解けるまでにあたしのレベルもアップした。
それが気に入らないらしい先生。
こうして勉強と関係ない話題を吹っかけてくることもしばしばで。
「ツンツンしないでよぅ。あ、もしかして女子の日?」
「違います」
「江田ちゃん怖い・・・・」
と、ちょっとセクハラくさくもなってきてしまった。
あたし、今日は夕方のドラマの再放送がどうしても観たいんだ。
今日で最終回なんだ!
先生につき合っておしゃべりしているヒマなんて少しもないのだ!!
あたしのゴールデンウィークは家と塾を往復するだけだもん。
少しくらい自分の都合で動いたっていいんじゃなかろうか。