表裏
天敵
柊 天。
天と書いてアメと読む。
現在高校三年生で、漫研の創設者でもある。
IQは300あるとかないとか。
兎に角天才。
うちの周りにいる第三の超人。
そして、腹黒超人美葉の天敵だったりする。
「元気だった?
陸ちゃん、美葉ちゃん」
「あ、はい…?」
元気というか、今地の底にいる気分ですよ。
携帯壊れたし。
いや、壊されたのか。
「な、ななな何でここに…っ」
今にもイスから落ちそうなぐらい引きまくる美葉。
「いやー、今日ちょうどテスト最終日でね」
「だったらさっさと帰れ!いちいちよるな!!」
「えー、無理無理」
ものすごい高速で首を振る天。
「だってここには―」
キラン、と目が光り、その瞬間。
「美葉ちゃんがいるじゃないかーっっっ!」
「ぎゃぁぁぁあっ!くっつくなぁ!!」
ガシッと、腰の辺りに腕を回し、早業で美葉を捕獲する柊さん。
いつ見てもこれには感心してしまう。
「ねぇ、もういいよねー?
いい加減俺とつきあおうよー」
「ざけんじゃねー!
私はまだ青春を楽しむんだーっ!」
「青じゃなくて黒じゃないー?」
笑いながら軽やかに美葉を丸め込む柊さん。
伊達にこの人もオタクじゃないよなー。
とか、呑気に考えてたうちの脳天にチョップが喰らわされるのは数秒後。