少女A。
ある日の、
少女。
歩き慣れた街の
ショーウインドウを見ながら、
いつも思ってた。
輝けるのはいつなんだろう。
でも、変わりたくはなかった。
――つまんない日々だよ。
誕生日は昨日だってーのに、別に何も変わりゃしない。
おめでとうは何人かに言われたけど、特に実感は湧かなかった。
おかしいな。
あたしの年代なら、歳がひとつ上がるだけでも特別なもんなのに。
ただ夜が明けるたびどんどん無気力になってる気がする。
梅雨の時期にきた記念すべき15の誕生日は、大雨でテンションがだだ落ちだった。
中三だけど、受験生意識なんてしていない。
いくら高校入るからといって、なんで勉強にあんな必死になるのかわからなかった。
――なんて、言えるキャラじゃないけど。