少女A。
少年。
ガチャ
「岡田、いる?」
ドアノブを捻ると、いつものように事務的な机があった。
その右側には、微かだけど学ランが見える。
「いるよ。先生来るかもだから早く閉めて」
そこからヒョコッと顔を出した岡田。
もう弁当を食べ終わって、ごちそうさまをしていた。
あたしはドアをしっかりと閉めた。
ここは相談室。
二年前新しい相談室が作られたから、ここは誰も使わなくなった。
――あたし達以外は。
ここは職員室の近くだけど、静かで見つかりにくい。
最高のたまり場だ。
机の前に座ると、後ろで背中合わせで座ってる岡田が携帯を出した。
その携帯からは、着信音になっているバイブが止むことなく鳴り響いてきた。
あたしは弁当箱のふたを開ける。