ヤンキー少女とイケメン男子
次の日、アタシは真が気になって、朝早く学校へ行った。

(真、いるかなぁ…。って、なんでアタシ、あいつのために…???)

なんでかわからないけど、体が勝手に学校へと向かっていた。

すると、校庭の方で、誰かがサッカーの練習をしていた。

(…、真!?)

それは、やはり真だった。

「まっ…、真…さん…。」

小声で言ったから、聞こえるはずもない。

真剣に練習していたから、話しかけずらかった。

アタシは、ただ、真のことを見つめていた。

そしたら、ボールがこっちに飛んできた。

「あっ…。」

「あっ…。」
・・・・
奇跡的に目が合った。

「昨日の…。たしか…。」

「あずさ!!!姫鬼あずさ!!!」

「あずさ、さん…。」

「あっ、あっ、あずさでいいよ!!!」

「じゃあ、俺は、真で。」

“真”というただの呼び捨てだけど、なんでか嬉しかった。

「ユッ、ユニフォーム、カッコイイじゃん!!!」

「あっ、今度、オレ、試合に出るから、練習してるんだ。」

「へぇ~、さすがエースだね!!!」

「いやっ、そんなに上手くないんだけど…。」

「いや、真は上手いよ!!!」

「えっ…。」

(ちょ、何言ってるんだよアタシ!!!)

「あずさ、ありがとう!!!」

「えっ…。」

“ありがとう”なんて、ヤンキーのうちらには関係のない言葉だった。

そんなの、初めて言われて、なんか、嬉しくて、照れくさかった。

「あずさ。」

「ん???」

「つけまつげがずれてるよ。」

「えっ、嘘!?」

「あっはっはっは。」

「ちょっとー直してよー。」

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