ヤンキー少女とイケメン男子
次の日、メイクを少し変えてみた。

「“ギャルメイク”って派手だからなぁ…。少し地味にしてみるか…。」

その日は、いつもよりメイクを薄くして学校へ行った。

「よし!!!ギャルメイクは卒業ー!!!」

そう言って、はりきっていた。

すると、今日も校庭で、真が1人で練習をしていた。

「真ー!!!」

「あ、あずさ!!!」

手を振りながら呼んだら、すぐにこっちに来てくれた。

アタシの顔をジーっとみている。

(メイクの変化に気がついたか???)

ちょっとワクワクしていた。

「メイク…変えた???」

(やっぱり~。わかってくれた!!!イェーイ!!!)

「うん。分かった???」

「すぐに分かったよ。でも…。」

「でも…???」

真は下を向いて、納得のいかないような、

暗い表情だった。

「オレは…。」

あらたまった表情をして、見つめてくる。

「いつものあずさのほうが好きだ。」

「えっ…。」

いつものアタシ…。

つまり、“ギャルメイクのアタシ”ということだ。

「じゃ…。」

そう言って、校庭に戻って行った。

「“いつものあずさのほうが好き”かぁ…。」

うれしかったけど、悲しかった。
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