今、空に太陽は昇っていますか?
数学の先生にプリントを集めて持って来てと頼まれた私は、職員室へ行く途中、北山先輩達を見かけた。

私は思わず身を隠し、先輩達が通る廊下側に背を向けた。

先輩達の話声が聞こえた。

「お前礼華さんと別れたんだって?泣いてたらしよ。もったいねぇー。」

「あんないい女。」

「しかも他の女とも別れたって。マジ?!」
「あぁ。」

「どうしちゃったの?北山太陽君!!」

「ありえんわぁー。」

「で、お前1年と付き合い始めたんでしょ?」

「あぁ。」

「誰?!どんな子?可愛いの?!美月って名前だっけ?」

「あぁ。」

「あぁ。以外に何か話せよ!!」

「もったいねぇーよ。俺に礼華さんくれよー!!!」

「俺、礼華なんて、別に好きじゃなかったし。」

「はい!マジ贅沢!!」

「じゃあ、今カノは本気なの?!」

「あぁ。」











嬉しかった。

北山先輩は無口。

一緒に帰る時だって、先輩からはあまり話しかけてこない。

『あぁ。』

これが先輩の口癖。
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