今、空に太陽は昇っていますか?
「てめぇらっ!!何してんだよ!!」

「やべぇ、北山だよ!!」

佐久間達は、北山君の姿を見つけ逃げ出した。

北山君は喧嘩が強いので有名なのだ。

「空の事頼む!」

そう言って、着ていたジャンパーをあたしに手渡し、佐久間達を追いかけて行った。

美空は川に入り、何かを拾っていた。

「美空…大丈夫?」

「うん。ごめんね、春香。…陽へのプレゼントビショビショになっちゃった…。」

「びどい…。」

「けど、乾かせば大丈夫か!」

そう美空は微笑んだ。

あたし達は、川に投げ捨てられた美空の教科書やノートも拾いあげ、美空に北山君のジャンパーを羽織らせ、風邪を引かないよう足早で家へ帰った。

「美空、これ北山君の鞄。渡しておいて貰えるかな?美空を助けに走る時、置いて行ったの。」

「うん、ありがとう。」




後から聞いた話だけど、あの後北山君は佐久間達に追いつき、ボコボコにしたらしい。

もう二度と空に近づくな!次はどうなるか分かってるよな?マジで許さねぇぞ!って。

あの日から、美空への嫌がらせは本当に無くなった。



北山君はいつも美空の事を守っていた。

そして、2人は本当にお似合いだった。

ずっと一緒に居ると思っていた。

ずっと一緒に居て欲しかった。

ずっと、ずっと…
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