今、空に太陽は昇っていますか?
6年前に交わした長い約束は、たった数分という短い時間で消えていった。

太陽は振り返る事も無く、わざと強く音をたてながら離れて行った。

まるで…

私との約束を完全に断ち切るかのように。

私は傘を落とし、泣き崩れた。

ソラからは冷たい雨が降り…

空の目からは冷たい涙が溢れている。

「いや…いやだ…行かないで…陽。」

声にならない声でそう何度も何度もつぶやいた。

陽が小さく見えなくなるまで、涙で滲む目で君を見続けた。

もう二度と見れないかもしれない君を目に焼き付ける為。

もしかしたら、振り向いて、

『嘘だよ』

って笑って戻ってくるかもしれないから。
< 238 / 317 >

この作品をシェア

pagetop