今、空に太陽は昇っていますか?
そしてそれをいきなり、自分の髪へと持っていった。

「何やってんだよ!!!」

俺がハサミを取り上げようとすると、空は声を上げた。

「離して!!!切るの!この髪!もういらないから!」

「辞めろって!!!」

「陽の為に…陽に会った時にすぐに分かってもらえるように、髪も色もずっと昔と同じにしてたの!だけど、もう会えないから。もう忘れなきゃいけないから。離して!!!」

「空!なぁ!空っ!」

「僕、空の長い髪が好きなんだ。北山じゃない。僕が好きなんだよ。だからもう辞めようよ。」

…そう何度も説得し、空はようやくハサミを手放した。
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