今、空に太陽は昇っていますか?
「あっ!だから、皆で家に暮らしてもいいよ。お父さんの好きな人でしょ?」

お父さんは、照れながら頷いた。

久しぶりに見る、お父さんの笑顔。

「あ、あの…お父さんの事、宜しくお願いします。」

そう、涙を堪えながら、震える声で言った。

「はい…あの、なんか、私…すみません。」

女性は私に頭を下げた。

「いいえ、お幸せに。」

「…。」

「お父さん、さようなら。」
















これが精一杯だった。

出口の方へ振り返った瞬間堪えていた涙が溢れ出してきた。
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