今、空に太陽は昇っていますか?
「それより俺、早く大人になりたいよ。」

「どうして?」

「どうしても。」


暫く沈黙が続いた。


「…あのね、私、自分の親と同じ位…陽のお父さんとお母さんも凄く大切な存在なの。」

「何、突然?」

「陽をこの世に産んでくれた人だから。じゃなきゃ、私達は一生出会う事がなかった。陽が世界で一番大切なの。」

「…うん。俺もそう思っているよ。」

私はそれ以上何も聞けなかった。

陽のプライドを傷つけたくはなかったから。

陽が自分の口で話してくれる事を待つことにした。
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