今、空に太陽は昇っていますか?
「正直驚いたよ。記憶がほとんど無い中、ずっと側にいる俺の事さえ忘れて居るのに、お前の名前は覚えていた。だけどな、お前が北山太陽だとは分かっていない。それはとても辛い事なんだ。それでも、空を支えていけるのか?」

「あぁ。どんなに辛くとも、空を守る。どんな事があっても愛し続ける。二度と離れない。」

「・・・分かったよ。北山が現れた時から、覚悟はしていたよ。空との別れを。二人は運命と言う強いもので繋がっているんだな。だけど、俺はお前を一生許す事は出来ない。空を傷付けた事に変わりは無いから。」

「あぁ。」

「これ。」

そう言って糸井海斗は、ポケットからくしゃくしゃになった紙を俺に手渡した。

「いつかこの日が来るんじゃないかと思っていたんだ。だから、この紙は毎日持ち歩いていた。」

俺はくしゃくしゃな紙を広げた。
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