今、空に太陽は昇っていますか?
<ガラガラ>

病室の戸を開けると、沢山の機械に囲まれ、頭を包帯で巻かれた痛々しい姿のお母さんがベットの上に居た。

そこに居たお医者さんが、私に気づいた。

「今日が山場です。出来る事は全てやり遂げました。後は、お母さんの生きる力を信じるしかありません。側にいて声を掛けてあげて下さい。」

お医者さんの言葉を聞き、弱まる私の手の力を、陽は力強くずっと握りしめていてくれた。

「おばさんっ空が来たよ!」

「…。」

「空も、早く声を掛けてあげて!」

呆然と立ちすくむ私に陽が声を掛けた。

「お、お母さん…起きてよ!死んじゃ嫌っ!!お母さんが居なきゃ嫌だよ!…美空…お母さんが居なきゃ…もう…本当…。」

「お、お父さんももう少ししたら、来るからね…頑張って。」

私は泣きながらお母さんに、何度も何度も繰り返し声を掛け続けた。
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