今、空に太陽は昇っていますか?
気が付いたら私は、陽の住んでいる社宅の前に来ていた。




その時、荷物を両手に持ったおばさんと陽が出てきた。

私は思わず、社宅の塀に身を隠した。




ここは小さな町。

噂は近所中すぐに広がり、陽達は居づらくなりこの町を出て行くみたいだった。

おばさんの顔はやつれ、肩を丸くしながら歩く姿は、以前の綺麗な面影が全く無くなっていた。

私は見てはいられなかった。

そしてふと陽に視線を移したと時…



目が合った。



私は塀から身を出したが、陽は私に冷たい目をし、すぐに目線をはずした。

あの時の目が今でも忘れられない。

陽は一度も振り返る事なく去っていった。

手を差し伸ばし、助ける事の出来ない自分に腹が立った。

結局私も父と同じだ。












気が付くとタイヨウは姿を消しソラは真っ暗になっていた。
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