今、空に太陽は昇っていますか?
私の足は家へと向かっていた。

他に行く場所なんてない…。


家に入ると、電気も付けず真っ暗な中、お父さんがソファーに座っていた。

泣いている声が聞こえた。

お父さん…?

泣いているお父さんを見るのは、初めてだった。

凄く驚いた。

「ごめんなさい…私…。」

「…いいんだ。美空の言っていた事は正しいから。」

お父さんはうつむいたまま、覇気のない声でそう言った。

このままだったら、お父さんもどうにかなってしまう…
< 53 / 317 >

この作品をシェア

pagetop