今、空に太陽は昇っていますか?
「大丈夫ですか?ごめんなさい…早く助けてあげられなくて。」

彼の口からは、血が出ていた。

私はいつも2枚のハンカチを持っている。

だけど、今日は忘れてしまったみたいだった。

鞄の中を探したけど、見つからない。

私は、大切な苺柄のピンクのハンカチを鞄から取り出し、血が出ている彼の口にそっと当てた。

その手は小刻みに震えていた。

「ごめんね、怖かったでしょ。」

私は首を横に振った。

「手震えてる。」

そう言われて、少し緊張が解れ、私は深く頷いた。

「あーハンカチ汚れちゃったね…。」

「あっ!!いいです、いいです。持っていって下さい。まだ血が出ていますし。」

「ありがとう。」

彼は、足が痛そうだったが立ち上がろうとしていた。

「足痛そうですけど、1人で大丈夫ですか?」

そう声をかけると、笑顔で彼は、

「うん、大丈夫だよ。」

そう言った。

「じゃあ、本当にありがとう。」

「気を付けて。」

私は、軽く頭を下げその場を後にした。
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