今、空に太陽は昇っていますか?
「あぁ!!!」

「思い出した?」

「はい。」

「怖かっただろうに…大人も誰もが見て見ぬ振りをしている中、君だけは違った。」

「いえ、私は何も…」

「ずっと、帰り際の君のあの笑顔が忘れられなかったんだ。あの時から僕は、君の事が気になっていた。」

「…。」

「背が高かったから、同い年か年上かと思っていたよ。」

「…あっ、よく言われます。」

「だから、新入生歓迎会で君を見つけた時は驚いたし、嬉しかった。僕は、あの時君に助けられたお陰で、今でもサッカーができているんだ。」

「…?」

「足を棒で殴られそうになった時、君の声が聞こえたんだよ。」

及川美空ちゃんは照れた顔をし、頭を横に振った。
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