今、空に太陽は昇っていますか?
今日は、放課後海斗と一緒に勉強をする為、私達は図書館へ向かった。

行く途中の事だった。


…お父さん?

「空、どうしたの?突然止まって。」

「…。」

「お父さん…。」

横断歩道の向こう側に、小柄な女性と小さな女の子と一緒に歩くお父さんが居た。

女の子とは手を繋いでいる。

家族みたいだった。

久しぶりに見る、お父さんの笑顔。

胸がチクチク痛んだ…。

今日は、仕事休みだったんだ…。

知らなかったよ。

「空の知ってる人?」

「うん…お父さん。」

「えっ?!」

海斗も驚いて、言葉に詰まっているようだった。

「何かの間違いじゃない?」

「ううん、いいの。なんでもいい。お父さんが幸せなら、それでいいよ。」

「空…。」

海斗の前では強がってそう言ったが、本当は凄く動揺していた。


お父さんは、私が邪魔ですか?


しばらくは、お父さんの幸せを願う事が出来なかった。
< 69 / 317 >

この作品をシェア

pagetop