今、空に太陽は昇っていますか?
気が付いたら俺は空の家の前に来ていた。



空に会いたくて仕方がなかった。



今の俺には空の笑顔が必要だった。



だが、インターホンを押す勇気が出ず、ただ空の家を見つめていた。

「おい!!こんな時間に人の家の前で何をしているんだ?!」











空のおじさんだった。

俺は急いで逃げようとしたが、おじさんにきつく腕を捕まれた。

「おい!待て!まさか…お前…太陽…か?」

「…はい。」

俺は俯きながら、弱々しく答えた。

「何しに来たんだ?」

「…空…空は元気ですか?」

「…あぁ。」

「空に、空に会わせて下さい!!」

おじさんは俯きながら首を横に振った。

それでも俺は諦めきれず、おじさんに頭を下げた。

今のボロボロに刻まれた俺の心には空のあの笑顔が必要だったから。

空しか居なかった。

空しか。
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