今、空に太陽は昇っていますか?
ようやく話してくれた太陽君に見とれてて、前をちゃんと見ていなく石に躓き(つまずき)、泥の水たまりで転んでしまった。

「大丈夫?!」

太陽君は慌てて私に駆け寄り、手を差し伸べてきた。

その手を借りて立ち上がると、

「あははっ!!」

太陽君は私の顔を見て、お腹を抱えながら笑った。

「初めて見た!太陽君の笑った顔。笑ってる方がいいね♪」

そう言って鞄の中から手鏡を出して見てみると、顔中に泥がはねていた。

泥を取ろうと手で擦ってみたが、更に泥が伸び、顔中が真っ黒になってしまった。

太陽君はまだ笑っている。

「あー最悪!真っ黒だよ〜。」

「…ちょっと待ってて。」

太陽君は、向かいにある公園へ走って行った。

少しの間待っていると…

太陽君が、Tシャツの上に羽織っていた自分のシャツを水に濡らし、私の前まで走って来た。

「ハンカチとか持って無いから…」

そう言って、そのシャツで私の顔を拭いてくれた。

初めて君の優しさに触れた大切な日。

「大丈夫?」

「うん!ありがとう。」

「服も汚れているから、一回家に帰ろうか?」

「でも…もう学校始まっちゃうし、太陽君一人じゃ道分からないよね?…大丈夫!このまま行くよ!何とかなるでしょ。」

「何とかならないよ。いいよ。一緒に家に帰ろう。少し遅れたって大丈夫だから。」

「…うん、ごめんね。」
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