今、空に太陽は昇っていますか?
「お〜い!」

「お前、糸井病院の息子だよな〜?可愛い彼女連れちゃって〜さすがだね〜。」

「空、下がって!」

「金、貸してくんない?いっぱい持ってるんでしょ〜お坊ちゃん☆」

「こんな事して、恥ずかしくない?」

「はぁ?!生意気だよ!お坊ちゃん!」

鈍い音が響き渡る。

…いい気味だ!もっとやれ、やっちまえ!

俺はそう思いながら見ていると…

「辞めて―!!!!」

空が奴に被さるようにし、かばい始めた。

涙を浮かばせながら、こっちを睨んでいる。

先程まで感じていた優越感が、雪崩のように一気に崩れていった。

…一体俺は何をやっているんだ。

自分が凄く情けなく感じた。

昔と同じだ。

一つも成長していない。

本当に…情けない。

俺は帽子を深く被り直した。
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