蝉時雨を追いかけて
「まさか根拠ってそれだけじゃないよな? それくらいおれにもわかる。それに、おれたちじゃ息がどうこう以前に、実力差がありすぎるだろ」
「その通りよ、拓海くん」
おかっぱは教師が出来の悪い生徒をなだめるときのようなしゃべりかたをした。
「オレたちと部長たちじゃ、髪型に例えるなら、アフロとボウズくらいチガウわ」
「ああ。それどころじゃないかもしれないが」
「そのうえ、オレたちには時間がないわ。夏の大会に出場する選手を決めるのが7月の頭だから、あと2ヶ月ちょっとしかないのよ。それまでにボウズがアフロになるのは無理よね」
「そりゃそうだ」
「でも、パンチパーマならどう? ギリギリ間に合うかもしれないわよね」
「なんの話だよ」
おかっぱの話はいつまでたっても結論が見えてこない。
話が回りくどいのが、おかっぱの数多い悪いところのひとつだ。
「その通りよ、拓海くん」
おかっぱは教師が出来の悪い生徒をなだめるときのようなしゃべりかたをした。
「オレたちと部長たちじゃ、髪型に例えるなら、アフロとボウズくらいチガウわ」
「ああ。それどころじゃないかもしれないが」
「そのうえ、オレたちには時間がないわ。夏の大会に出場する選手を決めるのが7月の頭だから、あと2ヶ月ちょっとしかないのよ。それまでにボウズがアフロになるのは無理よね」
「そりゃそうだ」
「でも、パンチパーマならどう? ギリギリ間に合うかもしれないわよね」
「なんの話だよ」
おかっぱの話はいつまでたっても結論が見えてこない。
話が回りくどいのが、おかっぱの数多い悪いところのひとつだ。