馬鹿寮長と天才不良
休憩所を見つけてベンチに莉津君を座らせた私は、ハンカチに水を染み込ませて戻った。
「痛かったらごめんね」
「いっ!!」
え、痛いかな?
そっとしたつもりなんだけど。
ある程度血をとると私はかばんの中からピンクのポーチをとり、絆創膏を取り出した。
・・・リラックマだけどいいかな?
「よっ、と。
ハイ、出来た!」
「あ、どーも」
リラックマ、似合ってるかも。
うん、似合ってる!
「ところでその怪我はどうしたの?」
さっきから気になっていた事。
転んだのなら唇どころか別の場所に傷ができたとおもうけど。
「あー、ここくるまえに那智と一緒にケンカしてきたから」
ケロッと言った言葉に私はは?っと思った。
だって莉津君がだよ?
見た目カッコイイ元気いっぱいの莉津君だよ?
「え、莉津君って不良?」
「嫌々不良じゃないよ!
ケンカと悪戯が好きなだけだよ」
ニッと笑いながらサラっと言ったよこの人。
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