馬鹿寮長と天才不良
ガンッ!
「いっ!!?」
振り向こうとしたら頭にガランッと音がしたあと鋭い痛みが。
痛いってなにこれ!?
涙目のまま頭に手をやると、ビニール袋の感触がありひんやりと冷たい。
「莉津、何迷子になってんの?」
頭にある物体をどける事なく那智君は莉津君に話しかけた。
莉津君は驚いた顔をしたまま私を見ていたが、背後の那智にまた視線を戻した。
え、助けてよ(泣)
「ごめんごめん。
いつきてもここは広いから」
「ったく、次迷子になったら名前と歳をアナウンス放送させる」
「うわ、本気でやりそう」
ガーンッと効果音がなりそうな勢いで莉津君は言った。
だからさ莉津君!?
私のこの状況を助けてよ!
頭どころか首まで痛くなってきた。
私がじ〜っと莉津君に助けて、と視線をおくっていると莉津君は苦笑いを浮かべた。
「那智、そろそろ下ろしたら?藍華が縮んじゃう」
よしっ!さすが莉津君!
ちゃんと助けてくれたよ!
「藍華?何処にいるの」
は?
「ほら、荷物どかしなよ」
いや、莉津君助けてもらいながらなんだけど、笑いをこらえるな!
笑うなよ!
そして那智君失礼!!
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