馬鹿寮長と天才不良
あ〜。
それにしても気持ち悪い。
那智君、容赦なく振り回したから頭の中で脳みそが踊っているよ。
私は額に手をそえるとその場にしゃがみ込んだ。
ちょっと休んで行こう。
ご飯は、まだ時間があるしいいや。
コツン
「ん?」
頭に固い何かが軽く当たった。
みると那智君が自分が飲んでいた缶ジュースを私に差し出している。
これは・・・
「くれる、の?」
「別に?俺もういらないからあんた処分しといて」
「・・・ありがとう」
私は軽く考えてから出来るだけ微笑んでそれを受け取った。
以外にもまだそれは冷たかったから気持ちいい。
「何お礼いってんの?処分しといてっていったんだけど」
いぶかしげな顔をした那智君は、じゃあねと言って階段をあがって行った。
私はその後ろ姿を見送ったあとぽつりと無意識のうちに呟いた。
「素直じゃない奴(笑)」
一口のむと、甘酸っぱいオレンジの味が口にひろがった。
「・・・おいしい♪」
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