馬鹿寮長と天才不良



部屋はわりかし綺麗なほうだな〜。




莉津君はのそっと起き上がった。



髪の毛がいろんな方向にあっちこっちとんでる。





「なんで藍華がいんの?」



「起きて来ないから起こしに来たの!
早く着替えて」




「・・・藍華、昨日の俺の話し聞いてた?」





怪訝な顔をして莉津君は私に聞いた。



うん、たしかにきいたさ。

全っ然来てないとね。




「だけど、そんなもん関係ないし。
ねっ?学校行こうよ〜!」




私はお願いしながら莉津君の胸倉を掴んで前後に揺さ振った。



それぐらい私は必死なんだ。




だって私の卒業がかかってるんだから!





「ねぇ〜!莉津君ーっ!」



「わっ、ちょっと、まっ!
あれ、那、智が行く、な、ら、行く、行く!」




「ホントに!」





途切れ途切れに言った莉津君の言葉に私は嬉しくなりパッと手を放した。




「痛っ!?」





急に手を放したから莉津君は床に頭を打ち付けた。



でも私はそんなのお構いなしにスッと立ち上がりこうしちゃいられない、と思いダッと部屋から出た。






莉津君がしばらく頭をおさえて転がっていたのは、勿論知らない。




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