馬鹿寮長と天才不良
「・・・依璃亜がスピーカーを持って寮内に深夜やってきた。
まあ寝ている奴らはいないけど」
理事長ーっ!!
人のプライバシーーっ!!
わざわざスピーカーを持ってお知らせするなーっ!!!!
「てゆーか、藍華って馬鹿すぎじゃない?」
「え?」
「毎回テスト、最下位なんでしょ?」
え、なんでしってんの!?
って顔を私はしてると思う。
「これは夕璃から聞いた」
あの女ったらし〜っ!!!!
まあ同じ学年なら情報はいくらでもながれてくるよね。
「今までの寮長は、逆に頭が良すぎる奴らばっかりだったな」
だから馬鹿はあんたが初めて、と那智君が言った。
今までの奴らって
「その人達はやめちゃったの?」
何気なく聞いただけ。
気になったから聞いただけ。
深い意味はなかった。
だから質問したとき、那智君が物凄く悲しげな顔をしたからびっくりした。
「うん、やめたってゆーか卒業した」
なんだ卒業したのか。
でもそんなに悲しそうにするなんて、相当懐いていたのか?
今年は私がしているから、去年の・・・三年生だよね?
だって卒業したんだから。
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