馬鹿寮長と天才不良
慌てて私は吏夢に駆け寄った。
後ろからは慎吾が駆け寄って来ていた。
「吏夢、大丈夫かっ!?」
吏夢に手をかしながら慎吾は心配そうな顔で聞いた。
「あ、うん・・・ありがとう」
「あっ!吏夢、膝擦りむいて・・・」
吏夢の右膝は血に染まっていた。
見た目ものすっごい痛そう。
あいつ・・・。
「あ〜ら、ごめんなさいねぇ?足が滑ってしまって。
わたくし足が長いから」
桃の戯れ事を聞きながら私は吏夢の顔を見た。
涙はでていないけど、目は潤んでいて下唇を噛み締めている。
・・・許さない。
「え?」
「おい、藍華!?」
私は吏夢から離れて桃の前に出た。
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