馬鹿寮長と天才不良









「ぶぁっくしょん!!!」

アレ?風邪ひいたかな?




まあ昨日は結局タオルでふいただけでお風呂に入ったのは大分後だったんだよな・・・。



「アレ?藍華風邪ひいた?」




吏夢が横からきいてきた。


「んー、まあ大丈夫でしょ」




今日はリレーの順番決めとその練習。


AとBに別れて走るから、狙うはワンツーフィニッシュだ!



「藍華、去年みたいにバトンを落としかけるなよ?」



誠真がストレッチしながら私に言った。



「去年はたまたまよ」




そう、たまたまだ。

たまたま、貰った勢いでそのまま斜め前にバトンがとんだのだ。


あの時はもうダッシュでバトンをとってそのままの勢いで走ったからばてた。

だから結果的にはセーフ。



でも・・・



「なんだか心配だからバトン練習してくる・・・」




「おー行ってこい行ってこい」





バトンをとって去っていく私を誠真と皆が笑顔で見送った。


クッ、憎たらしい笑顔!!!




にしても、何処で練習しよう・・・ん?


あそこにいるのは那智君のクラスの・・・




「ちょっとくらいなら、いーかな?」



私は走り出した。
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