馬鹿寮長と天才不良
2−Aの皆は何かをするでもなく地面に輪になって座っていた。
皆して何かを考えてるみたいだけど・・・どうしたのかな?
私は手近な男子生徒の肩をポンッと叩いた。
するとその男の子は私を振り向いてびっくりしていた。
「倉持先輩!?」
「どーも。皆何してるの?」
皆私の登場にびっくりしていたけど私の言葉にまたくらーい表情になった。
「俺達のクラス、1番人数が少ないんです・・・だから毎年最下位で・・・」
そーいえば結構2−Aのクラスの生徒が行かない人が多かったな・・・。
「それって、那智君達が来ないからでしょ?だったら呼んで来ればいいじゃん」
「あんな泥棒、うちのクラスにはいらねーよ」
はい?泥棒?
那智君が・・・?
「ねぇ、泥棒ってどういう事?」
「あいつ、稲葉の金盗んだんだよ」
な?とその男子生徒が視線を向けた先にはいかにも私勉強できますオーラを出している男子生徒。
「ああ。あの日は塾の費用を払う日だったから」
そう言いながら稲葉君は眼鏡をあげた。
「ちなみにいくらぐらい・・・」
「十五万程度かな」
ハ!?十五万!?
高すぎるでしょう!!!
ちょっと軽く目眩が・・・。
「それを那智君がとったと?」
私が稲葉君にきくと頷いた。