馬鹿寮長と天才不良
「おまえ、冴宮が犯人じゃないって思っているのか?」
「は?あー、はい」
なんでそんな事を聞くんだ?
「証拠もあった。それを知ってのことでか?」
「はい、そうですけど・・・」
「なぜ?」
え、先に質問しようと思っていたのは私なのになんで私は先生に質問されているんだ?
まあ、それでも答えるけどさ。
「私が納得しないからです」
だって那智君がそんな事するとは思えないし。
会って間もないけど。
「それだけの理由かよ」
「理由としては十分です、私的に」
わからない、気になる、納得しない。
そんな事があるのなら、とことん調べなきゃ。
じゃなきゃスッキリしないでしょ?
「それで、話ししてください」
先生がだんまりしちゃうから、なんだか恐いじゃないですか。
「あ、ああ。
でも、だいたいはきいたんだろ?2−Aの奴らから。だったら、俺から話すことはねーぞ?」
「那智君は違うって言っていたんでしょう?なのに那智君は犯人にされてますけどなぜですか?」
私がそうきくと先生ははぁ、とため息をはいた。
「人間は、相手を見た目、普段の行いなんかで決め付けるからな。冴宮の場合もそうだろ」
「那智君の訴えは無視したんですか」
「そーいうことだな」
−ホラ、人間ってそういうものなんだよ。
ああ、なんか昔あいつに言われた言葉を思い出してしまった。
「ところで倉持」
「え、はい」
下げていた顔をあげて鳴海先生をみるとニッコリと笑顔を浮かべている。
ん?どうしたんだ?
しかし直ぐに眉を吊り上げた。
「テメー練習はどうしたーッ!!!」
「ハイィィッ!!今行きます!!」
恐いです鳴海先生!!(泣)